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一介の木こり


一介の木こりがいた
宇宙の何かを捜し求めて
ここまで来た

一本一本切り倒すたびに
何かを経験しながら
ここまで来た

しかし 大森林の多くの木のうち
ほんの僅かな樹
細い樹 小さい樹 太い樹を
切り倒したにすぎない

何千本も切り倒したであろう
しかし 求めている何かは
すべて彼に その胸をひらき
見せてくれたのではない

木こりは なおも謙虚に
一本一本を 拝みながら
切って行くのだ

経済や人や人家から離れて
この木こりは 山に入っていく

山そのものが 彼となっている
彼そのものが 山となっている
神話・詩の探求はつづく

彼等そのものが
彼になってくれるのは
いつだろう

山は深い